個人的にはなるべく早く打ちたいと思っていた新型コロナワクチン。その2回接種が完了しました。

戦時中の食糧と同じで、あるところにはあるんですねワクチン。そして、それをもたらす人の縁。
仕事先で、よその会社の職域接種枠が余りそうとの話がやってきて、ラッキーなことに想定していたより早く接種することができました。職域接種のためモデルナ社製です。

そこでせっかくなので、自分が打つことにした理由や多くの方が気になるであろう副反応について書いてみました。

目次

ワクチンを打つと決めた理由

起こりえるリスクを考えて

すごくシンプルに言うならば、新型コロナにかかったときのリスクの方が、ワクチンの副反応リスクより大きい、と考えたからです。

自分自身も30代後半で、自分の命もさることながら、子どもに感染してしまったときのリスク(特に若年層でも重症化が増加しているというデルタ株)や、長期間にわたる後遺症が生じるリスク、小児喘息もちだった夫が感染したときのリスク(今でもたまにハウスダスト系で息苦しさが出たりするので、気管支周りは決して万全ではなさそう)、などなどを考えた結果、打たない選択肢はありませんでした。

mRNAワクチン開発の道のりへの敬意

加えて、今回の素早い新型コロナワクチン開発を可能にした「mRNAワクチン」の開発経緯にも心動かされました。

いま現在ある新型コロナワクチンは、人類初の「mRNAワクチン」と呼ばれるもので、ハンガリー出身の女性生化学者 カリコ博士の業績をベースに開発されました。この業績、ノーベル賞をとるのではなかろうかと思っています。

そしてこの 「mRNAワクチン」の開発経緯が、ほんと胸熱で…!

以下、高校生物は履修したけどほとんど覚えていないので、いくつか読んだ記事の受け売りですが、
今回のワクチン名に含まれている「mRNA」とは、染色体内にあるDNAがもつ情報がコピーされたもので、タンパク質生成のための設計図が入っています。そして、タンパク質が設計図通りに生成されると、自然と体内で分解されていきます。

なので体内に直接、タンパク質の設計図であるmRNAを入れることができれば、こちらが望むタンパク質を体内で作ってもらうことができ、様々な病気の治療にも役立てられるのではないか!? とのアイデアから、カリコ博士がmRNAに関する研究を始めたのが、今からおよそ30年前。

しかし、30年前はさまざまな技術が不足していたこともあり、そのようなアイデアは絵空事と捉えられ、カリコ博士は安定した研究ポストも研究費も得られず、細々と研究を続けていました。
mRNAからタンパク質を生成させる技術や、mRNAを体内にいれても炎症を生じさせないようにする技術なども、この間に開発されています。ですが、有名雑誌には論文掲載を見送られたり、研究費も結局1件しか取れなかったりと、アカデミック界では相変わらず不遇の時代が続いていたそう。

そんな不遇だったカリコ博士を評価し、安定したmRNAワクチン開発の場と資金を提供したのが、今回ファイザー社とmRNAワクチンを共同開発した「BioNTech(ビオンテック)」というドイツの会社で、それが2011年。

以降、カリコ博士はBioNTech社でmRNAワクチン実用化に関するさらなる研究をすすめ、2018年からはファイザー社と共同でインフルエンザ用のmRNAワクチンの開発を行ってたそうです。今回初めて知りました。この縁で今回ファイザー社と協力して新型コロナワクチンを開発したんですね。

そんな中、世界を襲ったのが、今なお続くCOVID-19によるコロナ禍。。。

従来の「生ワクチン」や「不活化ワクチン」は、ウィルスのタンパク質を「そのまま」体内に入れる手法のため、その安全性を確認する必要もあり、開発には長い時間がかかると考えられていました。

しかし、カリコ博士らが研究してきた「mRNAワクチン」は、ウィルスのタンパク質「そのまま」でなく、その「設計図(=mRNA)」を体内に入れるというもの。そのため、近年の遺伝子解析・複製技術の進歩もあり、当初の予定よりかなり短い期間でのワクチン開発が可能になったそうです。

新型コロナウィルスは表面に突起(スパイク)があり、そこを足がかりにして細胞に感染していくそう。今回開発されたmRNAワクチンは、そのタンパク質でできている突起の一部を生成するための情報が埋め込まれており、それを体内に入れることでウィルスのタンパク質が生成され、それに対する免疫を体内で作ってもらうようにする仕組み(と理解しています)。

そんなわけで、胸熱ストーリー語りが思った以上に長くなってしまいましたが、私はこの「mRNAワクチン」という画期的な新技術とその開発までの道のりへの敬意もあり、打ってもいいかな、なんなら早く打ちたいな、と思った次第です。 今回私が接種したのは、モデルナ社製のワクチンですが、モデルナ社製のものもファイザー社製のものと原理は同じです。

「mRNAワクチン」開発までの胸熱ストーリーの詳細は、以下の記事などをぜひ!

▼ 日本語のもの
「mRNAワクチン」で人類を救ったカタリン・カリコ博士の物語(山田順) - 個人 - Yahoo!ニュース

▼ 英語のもの(NY Timesのインタビュー)
The Unlikely Pioneer Behind mRNA Vaccines - The New York Times
英語の書き起こし(Transcript)があるので、それを見ながら聴きました。特にインタビューの最後の方で、カリコ博士が「私は普段からemotionalになることはなくて、基本的にはとっても根が明るい人間なんだけど、医療従事者の方達がワクチンを接種している会場で、接種後に待機するための部屋に立ち寄ったときに、そこのリーダーから “この人が今回のワクチンの開発者です” と紹介されて。そうしたら、そこにいた人達が皆拍手をしてくれて、、、ちょっぴり泣いちゃいました」と語っていたところは、もらい泣きしそうになりました。また新型コロナワクチンの開発中に、第3相試験でも有効性が確認されたとの一報がもたらされたとき、お祝いと称して大好きなナッツ入りのチョコを一箱食べちゃったというエピソードもお茶目でした。

副反応について

注射自体の痛みについては、インフルエンザワクチンの方が痛いかも、というのが個人的な感想です。ブス、はい終わりです、とあっさり終わりました。

1回目

1回目は発熱はなく、ただただ腕の痛みだけでした。頭痛もなかったです。

腕の痛みは、ワクチンを打った側の二の腕全体が凝り固まるというか、猛烈な筋肉痛のような感覚になるというか、ガチガチになる感じ。うっかり急に腕を動かしてしまうと「痛っ」と声が出たり、二の腕全体が痛いので、腕を肩より上に持ち上げることもできませんでした。

接種は夕方だったのですが、当日の夜と翌日くらいまでは、ワクチンを打った方の腕を下にして寝ることは、痛くてできませんでした。

またモデルナ社製だったのですが、約1週間後に見事な「モデルナアーム」が出現しました。

モデルナアームの原因はまだはっきりわかってないそうですが、若年〜中年の女性に生じることが多いそう。ただし、接種した人全体の割合としては3〜4%くらいの人にだけ出る症状のようです(思ってたよりレアでした)。
mRNA自体は熱や刺激にとても弱いので、ワクチンとして体内に入れるために脂質の殻で包んであるそうですが、その成分による遅発型アレルギーかもとの説が現時点では有力なようです。

なんかむず痒いな、そんな日焼けしたかな? 虫にでも刺された? あれ、そういえば接種からちょうど1週間くらいだ! これが噂の「モデルナアーム」か! と気づきました。接種した付近の2〜3cmほどが赤くなり、見てわかる程度に少し腫れてもいましたが、むず痒い程度で痛くはありませんでした。

なので特に薬を処方して欲しいと思うほどでもなく、2〜3日ほど経ったら自然と消えました。

2回目

そして迎えた2回目。

2回目の方が副反応が出やすいと聞いていたので、発熱して食欲が失くなったとき用に、ゼリー系飲料やレトルト食品を買ったり、解熱鎮痛剤を買ったり、冷凍庫の保冷剤を確認したりしておきました。
解熱鎮痛剤には、アセトアミノフェンがメイン成分で、7歳以上の子どもも使えるという「バファリンルナJ」を選択しました。今後何かのときに子どもも使えたら無駄にならないだろうと。そして、「冷えビタ」より、断然冷たい「氷」派(笑)

2回目の接種も夕方で、接種後の経過は以下のような感じでした。

接種当日の夜

腕がじんわり痛い。1回目と同様の痛さ。打った側への寝返りは出来ない。平熱。

翌日の朝

平熱。でも、ものすごく眠い。

翌日の昼過ぎ

発熱。最高38.7℃。ただ熱が出ていてクラクラするのと、なんとなく頭が痛いこと以外は、症状なし。食欲も普通。

ただ起きているのはやはり辛く、一日中横になっていた(ので、腰が痛くなった…)。

療養のお供は、radikoと保冷剤。
腕が痛いので寝ながらスマホやKindleを見る体勢がしんどく、でも退屈なので、ラジオを聴いてました。また、ガーゼでくるんだ保冷剤をおでこや首後ろに当てていると頭痛も和らいで気持ちよかったです。

解熱鎮痛剤は、38℃後半が続くようだったら飲もうと思っていたけれど、37℃〜38℃前半をウロウロしていることがほとんどだったので、結局飲まず。

翌々日の朝

平熱に戻る。

ということで、副反応はほぼ1日で終わりました。接種翌日は念のため有休を取っておいたので、心置きなくのんぴりしていました。

また腕の痛みは、翌々日にはかなり薄れて寝返りも問題なくできるように。3日目には微かに感じる程度になり、4日目には完全に消えました。

そして2回目については今のところ、「モデルナアーム」は出ていません。

まとめ

デルタ株は、mRNAワクチンにも含まれている突起部分がより細胞にくっつきやすいように変異しているらしく、それが急激な感染拡大にも関係しているようです。あとは、感染者が排出するウィルスの量が、これまでのものと比べ、大幅に増えているそう。
ウイルスの感染力を高め、日本人に高頻度な細胞性免疫応答から免れるSARS-CoV-2変異の発見 | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構

正直、夫はこれからの接種ですし(ただ予約は取れた!)、子ども達は12歳未満なので接種の対象者ではなく、小学校・保育園で集団生活も送るため、自分の接種は終わったものの(まだ2週間経過していませんが) 感染の危険は常に隣り合わせ という認識です。

ワクチンを接種しても、感染することはあるし、感染させることもあるし、時間が経つと抗体値が下がってくるらしいし、ということで ワクチンを打てば万事解決!! という特効薬ではないことも重々承知 しています。

ただ デルタ株までについては、ワクチン接種完了者の重症化率は極めて低い というデータが揃いつつあるので、わが家は打てる人は打っていくつもりです。

このまま感染が拡大して、他の強烈な変異株が出現しないことを願うのみ。そして、より低年齢の子どもでも打てるワクチンが開発されて欲しい。

とにかく、打ちたい人は速やかに打てるように、国と自治体には動いて欲しいです。
東京都はワクチン打ったらポイントだのアプリだの言い始めていますが、打ちたくない人にどうやって打たせるかを考えるフェーズには、まだまだ日本全体としても入れていないはず…。

おまけ

つい最近知ったのですが、コロナに罹患された俳優の石井正則さんが、以下のようなYouTubeを上げてらっしゃいました。感染したのはα株だろうとのことでしたが、自宅療養で中等症に到るまでの生々しいドキュメンタリーで、長めの動画ですが、見入ってしまいました。
渦中でも石井正則さんのコメントが前向きなので、気持ちが暗くなり過ぎることなく拝見できましたが、半端ではない胆力の方だなと思いました。