2016年5月中に読んだ本
先月に引きつづき、ナチスによる強制収容所から生還された方々の手記を何冊か。
ホロコースト生還者の手記
これまではホロコーストについて、
- V.E. フランクル著『夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録』
- アンネ・フランク著『アンネの日記 (文春文庫)』
また遠藤周作氏が随筆の中で書かれていたコルベ神父の逸話程度しか、本では読んだことがありませんでした。
ですが最近、なにかの書評で、エヴァ・シュロスというアウシュヴィッツの女性生還者がいること、また、彼女はアンネ・フランクの義妹でもあることを知りました。
そして、彼女の手記『エヴァの時代―アウシュヴィッツを生きた少女』を手にしたのをきっかけに、色々と改めて目を通しています。
NHKドキュメンタリー – ETV特集「エヴァの長い旅~娘に遺(のこ)すホロコーストの記憶~」
また強制収容所だけでなく、各地で潜伏生活を送りながら生き延びた人たちもいました。
『アンネ、わたしたちは老人になるまで生き延びられた。』は、生き延びたアンネの同級生らが、それぞれの当時を語っており、親の判断、当人の外見、周囲の協力、財力などで、その体験はこうも異なってきてしまうものかと…愕然とさせられました。
初、澤地久枝氏の本
そしてもう1冊は、澤地久枝氏と落合恵子氏の対談本『われらが胸の底』を。
澤地久枝氏、向田邦子氏の随筆の中に旅行相手として出てくる人だったっけ?くらいの知識から、店頭でふと手を伸ばした本でした。
ですが、はからずも、澤地氏と落合氏が戦前・戦中・戦後とどのような体験をし、そして、どのように生きてきたのかを知ることとなり、そしてお二人が感じられている現状への危機感には、共感できる点も多かったです。
時々「女性は~」と主語が大きくなりがちな発言をする澤地氏に対し、落合氏が「それは女性に限ったことではないですよ」と毎度さらりとフォローを入れているところが、ちょっと面白かったです。
2016年5月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:856ページ
ナイス数:4ナイス
アウシュヴィッツの地獄に生きて (朝日選書)
読了日:5月19日 著者:ジュディス・スティンバーグニューマン
13歳のホロコースト――少女が見たアウシュヴィッツ (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-5)
読了日:5月19日 著者:エヴァ・スローニム
われらが胸の底の感想
澤地さんのお名前が目に留まり、ふと手に取った1冊でしたが、いまこの時期に読めて良かった。
読了日:5月17日 著者:澤地久枝,落合恵子
アンネ、わたしたちは老人になるまで生き延びられた。
読了日:5月13日 著者:テオコステル
読書メーター