昨年末にTVドラマとして実写化され、今年の5月に早くも映画化決定がアナウンスされた『美しい彼』についての萌え語りです。

凪良ゆうさん原作の小説『美しい彼』。

   

2021年10月からTVドラマとして実写化され、放送されていました。1話約25分×6話というとてつもなく短いドラマだったのですが、それがもう素晴らしい実写化でした。 ギャラクシー賞のマイベストTV賞も受賞〜。

ようやく、少し距離をおいて落ち着いて語れるようになったので、以前にもちょろっと書いてますが、個人的推しポイントを改めて書いてみました。

以下、ネタバレもありますので、まっさらな状態で見たいという場合は回れ右でTVerGyaoへどうぞ。映画化決定を記念して、期間限定無料配信中です。(現在、3話と4話が配信中)
その他、Hulu、Paravi、TELASA、U-NEXT、Netflixなど各種配信サービスでも配信されています。
配信先情報一覧

あらすじはこんな感じです。

物語の主人公は、思うように言葉を発せない「吃音症」を持ち、幼い頃から周囲に馴染めず“ぼっち”を極める高校3年生・平良一成と、学校のカースト頂点に君臨する圧倒的カリスマ・清居奏。高校3年の春、クラス替えの自己紹介で緊張のあまり吃音が出てしまった平良は、クラスで透明人間のように扱われ、清居らのグループからパシリにされるようになる。しかし、そのことを気に留めるどころか、むしろ嬉しく思っていて─?!実は、平良は清居をひと目みた瞬間から恋に堕ちていたのだった。クールで美しい清居のことをひそかに、王(キング)と崇拝し、昼食の調達に使いっぱしりと忠誠を尽し続けていく。この思いは、憧れなのか、何なのか─。自分の気持ちに整理ができずにいたが、クラス内で力関係が変わるある出来事をきっかけに、二人の関係は急展開していく。
高校から大学と青春期の2人の関係を繊細に描いた本作。底辺“ぼっち”な男子高生と、学校の中心で美しくカリスマ的魅力を持った対極な男子高生二人の、分不相応な恋心の行方は―。“青春の爽やかさ・儚さ・切なさ”に共感し、「性」の概念を超えて、もどかしくも、キュンとするストーリー展開をお楽しみに。月日が経過し、高校・大学と年を重ねる2人の心情の変化、そして小山をはじめとした、追加キャストとの関係性にもご注目下さい! ドラマ特区 美しい彼 Intro

目次

素晴らしかったところ

配役

まずは何をおいてもこれですね。

実写化すると聞いたとき、「美しい彼、どこにいるのよ?」と思った人はたっくさんいたと思います。

が、演技経験が0だったFANTASTICS from EXILE TRIBEの八木勇征さんを見つけてきたプロデューサーさん、ナイス過ぎます。(どの動画かは定かではないですが、脚本を担当した坪田文さんのところには、「美しい彼いました!」というメッセージとともにTikTokの動画が送られてきたそう)

清居は、目立つ容姿でオレ様で自分勝手でいつも人に囲まれているのに、孤独を抱えていて寂しがり屋で素直になれなくて、でもがんばり屋で以外と周りを見ていて、何気に常識人でピュアという。
外見が美しいだけでなく、結構複雑な属性がいろいろ絡みあった難しい役だよなと書いていてあらためて思うのですが、八木さん自身がこれまでの人生で培われてきた諸々と演技とが、この上ないほどに融合した清居だったと思います。

そして、そんな清居を強烈に信仰し、恋し、なんなら清居を振り回しまくるネガティブオレ様な相手役の平良に、若手ながら経験豊富で確かな演技力をもつ萩原利久さんを持ってきたところも、醸し出す雰囲気とともにぴったり!としか言い様がありませんでした。「見る」ことに執着する平良の性を、目で雄弁に語られていました。

▼ この写真が出てきたとき、実写化…!?と危ぶんでいた気持ちがかなり和らいだ記憶

あとは、初対面のときから不思議と馬が合ったとお互いがインタビューで語り合うようなお2人から醸し出される雰囲気が、隠し味のように効いていたんじゃないかなとも思います。

――劇中では恋愛関係を演じますが、普段のお2人はどんな感じですか。

八木 カメラが回っていないときも、ほぼほぼ一緒にいたよね、休憩時間も含めて。

萩原 僕と勇征くんは結構似ているんですよ。

八木 それは思った。何か言おうとしたときに、同じタイミングで同じ言葉を言ったりします。今回、こうして何度か一緒に取材を受けさせてもらったんですけど、そこで話しているパーソナルな部分がわりと近い。

萩原 現場での居方みたいなものもちょっと似ている部分があるなと思った。どっちかと言うと、僕も勇征くんもスイッチのオンオフがはっきりしているタイプ。だからその直前までどんなシーンを撮影していても、カットがかかった瞬間、素に戻れるというか。いきなり普通に『刃牙』の話をしたりして(笑)。そういう意味では恋愛関係の役だからって、特別なマインドはもしかしたら僕はそんなになかったかもしれない。

八木 僕もそう。何も考えてなかった。ただ自然とずっと一緒にいたっていう感じでした。 萩原利久&八木勇征が憧れる男の美しさ「たくましい脚を見ると、おおっ!てなります」 | ぴあエンタメ情報

脚本

原作小説は現在3冊+番外編1冊が出版されていて、今回のドラマ化は1巻目の内容でした。今年あたり4巻目が出るのではないかと期待。

それを25分×6話という短い時間の中に、時系列やエピソードを入れ替えたり設定を多少変更したりしつつも、原作の持ち味を1つも損なわず成立させた点が、本当に本当に見事だったと思います。脚本を担当された坪田さんいわく、「脚本家にそんなに権力はない」そうですが(笑)

最近は実写化作品がかなり増えており、素敵な実写化と残念な実写化の境目はやはり、原作を知っている作品については原作の世界観をいかに損なわず映像として成立させているかだと思っていて。

このキャラはこういうこと言わないだろうとか、こういう反応しないだろうとか、この作品の重点はそこじゃないだろう、などなど。そういう不満を感じる点が一切ありませんでした。

最終話辺りは脚本をもとに監督の酒井麻衣さんがわりと大胆にエピソードの順番などを入れ替えたりしたそうなのですが、大きな流れやセリフやモノローグなど、原作を生かした形で整えてくださったのが、もう感謝感激でした。

音楽

あとは使われている音楽もぴったりでした。

「美しい彼」を熱烈に信仰する平良目線でつづられたOP曲と、オレ様感満載の清居目線でのED曲作られたお二人ともかなりお若いそうで、それもびっくり。

またオリジナルの劇伴曲も穏やかさや不穏さや美しさといったものを体現していて、目立って響いているわけではないのに、物語をしっかり支えている感じがよかったです。

映像美

そして、キャストさんや脚本や音楽といった素材をまとめ上げ、「美しい彼」の世界観を映像として形にした酒井麻衣監督が、もう素晴らし過ぎてですね。

1つ1つの画面が絵になっているというか、配役の立ち位置や小道具やモノローグを生かした演出などなど、随所にこだわりが炸裂していました。

ドラマでは1〜3話が高校時代、4〜6話が大学時代とわかれているのですが、高校の制服1つとっても、シャツの色は真っ白でなく少しグレーがかったものをスタイリストさんと相談して用意したなど。ぽけ〜っと見ている視聴者には気づかれないかもしれないポイントであっても、妥協せず、でも遊び心を大事にしながら作品を作り上げているんだなということが、そこかしこから伝わってくる映像でした。

▼ 演出などのエピソードは、こちらのビジュアルブックから

酒井監督は『雨の日』というPMSと生理を題材にしたNHKの特集TVドラマも演出されていて、そちらも再放送されていたので『美しい彼』の放送後に観る機会があったのですが、そちらも素敵でした。

同じ女性でも同じものなどない生理現象に対する連帯や共感、また、経験することはできなくとも、理解し合おうとすることや、寄り添おうとすることはできるよねという気持ちになれる作品でした。

映画が楽しみ

そんなわけで、視聴者からの熱烈な支持もおそらくあっての超スピードでの映画化が発表された『美しい彼』、楽しみです。

たぶん原作の2巻が映像化されることになるのだと思いますが、原作の2巻がそもそも時代にあったテーマが扱われているるものでして。
SNSの台頭によりダイレクトに伝わるようになった好意と悪意。そのような中で、「ファンはどうあるべきか」「推すとは」「正しい距離感とは」といったものが、清居の第一のファンである平良の口から、非常に雄弁に語られると思います。その辺り、昔V系バンドの追っかけをされていたという凪良先生ご自身の経験や見解も生かされているのだろうなと。

主要キャストもまた増えるはずなので、そこに誰が配役されるのか…。続報が待ち遠しいです!

▼ これも読まねば!

ハマると余韻がかなり残ると思うので、観られる方は心してどうぞ(笑)

個人的推しライターの横川さんが書かれたこちらのレビューも素敵です。
萩原利久×八木勇征が魅せた、至上の恋|Hulu Japan|note