Amazonプライムビデオで観た映画の感想です。

観たのは2015年にイギリスで制作、2017年に日本で公開された映画、『未来を花束にして (原題: Suffragette サフラジェット)』。

映画『未来を花束にして』公式サイト

日本で公開された当時、邦題やポスターがダサくないか? と話題にあがっていた作品で、昨年末あたりからAmazonプライムでの無料公開が始まったのでさっそく観てみました。結果、もう、ボロボロ泣いてしまいました。

物語は1910年代のイギリスが舞台。

女性参政権をはじめ、女性の人権自体がかなり制限されていた時代に、保障されるべき権利を求めて闘った「サフラジェット」(女性参政権運動家)たちお話です。

洗濯婦(いまのクリーニング店のような作業をしている?)として、劣悪な労働環境や工場長からの性的加害に耐えつつも、それが普通のこと、当たり前のことと思い生きていた主人公モード。

けれど、ある偶然の出来事と出会いから「私にも、別の生き方があったのでは…?」との可能性に気づいてしまい。そして初めは不本意ながらも偶然が重なりサフラジェットと呼ばれる、過激な抗議活動を行う女性参政権運動団体のメンバーとしての生き方が始まります。

そして活動をしていく中で受ける差別や中傷や偏見、夫や息子との理不尽な別れ、逮捕・投獄、共に闘ってきた仲間との別れなど、挫けそうになることが目白押しなのですが、そんな彼女を支えるのは、「いまの自分たちの権利の獲得」だけでなく「次の世代へ、少しでも良くなった世界を受け渡したい」という切実な思い

それに痛いほど共感してしまいました。

最後には歴史にあるとおり、女性の参政権獲得が達成されるわけですが、「人が死ななければ世論は動かないのか?」と、なんとも言えない口惜しさを感じるものもありました。

また映画のエンドロールには、女性参政権の獲得がなされた国と年が出てくるのですが、そこに「Japan」の文字はありませんでした。

日本では第二次世界大戦後の1945年に女性の参政権が認められたわけですが、それは日本国内の議論が成熟することで獲得されたものではなく、アメリカによって与えられたものである、といった認識があるからだろうかと思ったり。

実際のことろ、21世紀も5分の1近く過ぎたというのに、日本ではいまだに女性差別が根強く残っています。

ここ最近だけでも

  • 医学部入試における女性差別
  • 女性は産む機械、産まない女性が悪い などの政治家による発言
  • 100位以下が続くジェンダーギャップ指数
  • キリン、資生堂、西武、Loft、自治体などによる広告
  • 性犯罪の不起訴件数
  • 賃金格差

などなど、盛りだくさん。

それでも、昔よりは声があげやすくなってきていることに希望を見出しつつ。

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そして、公開当初、一部で話題になっていた『未来を花束にして』という邦題。

たしかにこの題名だけでは何が描かれているのか伝わりにくいのは事実ですが、見終わってみると、“世界が少しでも素敵なものになりますように”という映画のなかでも描かれていた想いが込められたタイトルだなと、個人的には思いました。