1月中に読んだ本をあげていなかったので、記録のためにさくっと。

向田邦子没後40年特別イベントが東京・青山のスパイラルという複合的文化施設で1月中に開催されていたそうで(向田邦子没後40年特別イベント「いま、風が吹いている」|スパイラル 青山の複合文化施設)それと連動して、NHK BSで特別番組が放送されていました。

向田さんは1981年に飛行機事故で亡くなられており、私が生まれたときにはすでに鬼籍に入られていた方なのですが、模試の問題などでよく使われていたことから、『父の詫び状』やらその他の随筆集やら直木賞を取られた小説やらテレビドラマのノベライズ本(というのか)やらを読んで育ってきました。

ここのところご無沙汰でしたが、今回の特別番組を観たのをきっかけに、久しぶりに本棚から取り出していくつか読み返していました。

女子は仕事か家庭かを選ばなければいけない時代に仕事を選び、秘めた恋はおくびにも出さず、日常を描いていても不思議と下世話にならない、的確な描写とさりげない小物使い。あらためて、凄い人だな、素敵だな、好きだな、と思わされました。

まだ観れてないですが、昨夜からはじまった『晴天を衝け』の脚本を担当されている大森美果さんも、直近では『MIU404』で抜群の知名度を誇るであろう野木亜紀子さんも、向田邦子賞を取られています。
向田さんがもしご存命であれば、どのような作品が残されていただろうか。どのように時代の変化を切り取られていただろうか。そんな想像をしてしまいます。

最後の随筆集となった『夜中の薔薇』に収められている「手袋をさがす」も、思い出深いです。はじめて読んだ中学生の頃(?)はいまいち意味がわからなかったのですが、大人になってから読んだとき、こういうことが書かれていたのか!と、とても励まされる思いがしました。自分に嘘はつかない、後悔はするかもしれないし、世間からはみ出してしまうかもしれないけれど、それでも自分に合う手袋を探し続ける道を選ぶ。

向田さんが下したその決断は、彼女が生きた時代より選択肢が広がっているなかでも何となく収まりの悪さを感じていたちっぽけな自分に、少しばかりの勇気をくれたと思います。

その他、今月もKindle Unlimited サービスで気になった本をいくつか読みました。

1月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1558
ナイス数:8

80年生まれ、佐藤愛: 女の人生、ある発達障害者の場合80年生まれ、佐藤愛: 女の人生、ある発達障害者の場合
読了日:01月29日 著者:宇樹義子
元気になるシカ! アラフォーひとり暮らし、告知されました (メディアファクトリーのコミックエッセイ)元気になるシカ! アラフォーひとり暮らし、告知されました (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
読了日:01月27日 著者:藤河 るり
新装版 あ・うん (文春文庫)新装版 あ・うん (文春文庫)
読了日:01月26日 著者:向田 邦子
砂場の少年 (新潮文庫)砂場の少年 (新潮文庫)
読了日:01月25日 著者:灰谷 健次郎
父の詫び状 (文春文庫 む 1-1)父の詫び状 (文春文庫 む 1-1)
読了日:01月22日 著者:向田 邦子
我利馬(ガリバー)の船出 (復刻版理論社の大長編シリーズ)我利馬(ガリバー)の船出 (復刻版理論社の大長編シリーズ)感想
小学生のころに読んだ本の再読。大人になってから読むとまた作品から感じることが変わった気がする。でも間違いなく影響はしっかり受けているとも思った。
読了日:01月03日 著者:灰谷 健次郎

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