2022年3-4月中に読んだ本
はじめましてで新井素子さん、二度目ましてで豊島ミホさんの作品など、数冊読みました。
祝・映画化決定『美しい彼』の原作者である凪良ゆうさんが、インタビューで好きな作家さんとあげられていた豊島ミホさんの本をまた手に取りました。
『日傘のお兄さん』という作品を手にとったのですが、こちらも映画化されてあらすじだけふんわり耳に入ってくる凪良ゆうさんの『流浪の月』とおそらくですが設定かぶっているところがありそうです。ある種のオマージュなのかな。『流浪の月』のほうもいずれ読んでみようと思っています。
豊島さんの作品ではもう1つ『檸檬のころ』も読みました。こちらの方が読後感は『日傘のお兄さん』より爽やか。(『日傘のお兄さん』の読後感が悪いわけではないのですが、設定として、個人的には気軽に消費できないタイプのものだったので)
豊島ミホさん、現在は作家としての活動はもうされていないのですが、ブログがありました。そして『日傘のお兄さん』についてのわりと最近の見解を述べられていました。
既刊2冊配信終了と、『底辺女子高生』電子版改訂のお知らせ(2021/11/20) : 雑記帖としま
『檸檬のころ』は地方にある街で暮らす高校生たちの恋愛模様を描いた作品で、苦くも生々しくもあるのですが、まだ何者でもないけれど何者にでもなれる、この気持ちは恋なのか恋ではないのか、恋にしてもよいのか、一方で自分の気持ちに蓋をしたことで長くくすぶる悔い。そんなあの揺れ動く時期の多感さを煮詰めて昇華させたような作品でした。
豊島さん作品に出てくる男子・男性には、相手の気持ちを大切にする「よい男」が多いです。
そして、新井素子さんの『ひとめあなたに…』も凪良ゆうさんのインタビューをきっかけに手にとった作品です。
あと数日で地球が滅亡するという設定をもとに話が進むSF小説で、素直に1985年出版ということに驚き。
2022年のいま読んでもまったく違和感を感じないというか、極限の状況に置かれたときどう振る舞うか、何を一番大切なものとして選びとるか、そういう個人の本質があぶり出されていくような物語で、一気読みしました。とても面白かったです。
その他、今井むつみさんの『英語独習法』も、個人的にはとても興味深かったです。「スキーマ」という言葉が出てきますが、第一言語であれば意識することなく獲得してきた「ことばに関する感覚」を、第二言語として習得するときにどのように養うか。
本の中で書かれていたやり方を取るには、じっくりゆっくり取り組む時間が絶対必要になってきますが、楽な道などないし、習得したいレベルにもよるというのはその通りだなと。
最後の方の章で触れられていた、英語とは言語体系が異なるが使いこなせる国民が多いというフィンランドで行われている英語教育法(教科書の内容)も、日本でもまた最近取り沙汰されている英語教育について、参考になる内容でした。
3月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:649
ナイス数:7
ひとめあなたに… (創元SF文庫)の感想
圧巻だった!
読了日:03月24日 著者:新井 素子
日傘のお兄さん (新潮文庫)
読了日:03月08日 著者:豊島 ミホ
読書メーター
4月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:833
ナイス数:11
英語独習法 (岩波新書 新赤版 1860)の感想
第一言語であれば無意識に獲得されていくスキーマを、第二言語でどのように意識的に身につけていくのが良いだろうかと提案している本。面白かった。
読了日:04月29日 著者:今井 むつみ
絶対泣かない (角川文庫)
読了日:04月27日 著者:山本 文緒
女の子だから、男の子だからをなくす本の感想
子ども用にと思って先に読んでみたけれど、まだちょっと早そうだった。小学校高学年くらいからいいかも。
読了日:04月20日 著者:ユン・ウンジュ
檸檬のころ (幻冬舎文庫)の感想
爽やかだけど、生なましい。甘酸っぱいけど、苦くもある。そんな素敵なお話でした。
読了日:04月03日 著者:豊島 ミホ
読書メーター
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