本屋さんをぶらぶらしていていたら、目に飛びこんできた題名と帯が。それが、加藤郷子著 『あえて選んだせまい家』でした。

その場で、ふむふむと目を通して、そのときは購入せずに帰宅したのですが、帰宅して内容を反芻しているうちに、手元に置いてもう一度じっくり読み直したいという思いがむくむくと湧きあがり、後日、あらためて購入しました。

▼ すでに帯を少し破いてしまっているのが、私クオリティ…。ちなみに、帯は外す派です。
『あえて選んだせまい家』書影

夫婦ともにマイホーム願望はあり、ここ1〜2年ほどは、折込チラシを見たり、いくつかの不動産をたずねて、物件の紹介&内見に行ったりもしていたのですが、これだ! という出会いはなく。賃貸住まいを続けています。

同年代の家族持ちの友人間では、最近マイホーム購入ブームが到来しているのですが、わが家が購入を決めかねている理由は、以下の4つほど。

  1. 価格が高過ぎる

    マイナス金利になってローン金利が下がった分、販売価格も急上昇という傾向で、まったくお得感を感じられず。新築にこだわってはいないので、中古物件も見ているのですが、この条件でこの値段!? というものが増えた気がします。マイナス金利政策もいつまで続くかわからない→低ローン金利がいつまで続くかも不明(変動にした場合)。

  2. 引っ越しがないとは言い切れない

    これも大きいです。夫婦ともども、現在の職場から動く可能性がないとは言い切れず。そのため、持ち家だった場合、身動きが取りづらくなる可能性が無きにしもあらず。売却するにしても、貸すにしても、そのときになってみないと上手く事が運ぶかわからないのがネックと考えています。

  3. いまの住まいが快適

    職場まで片道1時間強かかりますが、互いの実家にもほどよく近く(車で1時間ほど)、周辺環境もよいので、とても気に入っています。築年数は10年を越えていますが、内装も清潔感があり、収納やコンセント位置、間取りなども使いやすく、お気に入りの住まいです。

  4. 必要な広さがわからない

    これこそが今回、本のタイトルに目を奪われた理由だったと思います。
    現在3人家族で、最高で4人家族を想定していますが、そのとき快適に暮らすために必要な広さはいかほどなのか?というのは、以前から気になっていまして。子どもが独立してしまえば、そんなに広い家は必要ないですし、快適すぎても長く居座られそうで、などなど。

そんな訳で、なにかヒントがあるかも? というのが、『あえて選んだせまい家』を手に取ったきっかけでした。

狭い家で暮らすメリットとは

今回の本は「あえて選んだ」とある通り、家族構成のわりに狭いのでは?と一般的にはされるような住まいを、あえて選択した家族の話が紹介されています。
家族により様々ではありますが、そんな方々が語る「狭い家で暮らすメリット」は、まとめると以下の3つでした。

  1. 家賃(またはローン)が安くすむ
  2. 掃除が楽
  3. モノの管理がしやすい

家賃の家計への負担が軽い

まず、家賃(ローン)について。たしかにそうですよね。都内近郊でそこそこ便利の良い3LDK〜4LDKなどで購入用物件を探すと、5,000〜6,000万円台がゴロゴロ出てくるのが最近の流れ。
中古でも、4,000〜5,000万円台が多く、わが家の経済状況や上に書いたようにいざという時の身動きの取りやすさなどを考えると、お邪魔して失礼いたしました…というお値段です。

ですが、1LDK〜2LDKでもOKであれば、値段は1,000万は軽く変わってきますし、または予算をキープしたまま、より利便性のよいところに住めます。

また、購入するにしても、ローンの負担が少ないことで早くに払い終えられたり、月々の負担が少ないことから家計に余裕が生まれ貯金がしやすかったりします。その結果、更なる住み替えも、場合によっては可能になってきます。

私はなんとなく「終の棲家」という視点で家を探していましたが、本で紹介されていた家族のなかには、家族のそのときどきの状況に応じて、住み替えを視野に入れていたり、実際に引っ越し予定の方がいたりと、そうか、もう少し短いスパンで住むことを前提に購入するのもありだな、と思わされました。

掃除が楽&モノの管理がしやすい

本で紹介されている方々は、やはり居住スペースに限りがあるので、ある程度は持つモノを絞り込んでいるようでしたが、全員が全員ミニマリスト的思考でそのようにしているのではなく、自分たちの好きなモノや必要だと思うモノは、「量を制限せず持つ」というスタンスの方も紹介されており、その点も参考になるというか心の支え(?)になる感じでした(笑)

また、モノをたくさん持てないことから、自分たちが持っているものを把握しやすくなる。

空いているスペースに溜め込むということもないので、あるのに無いと思って余計なものを買い込むことが減る。

そして、もともと部屋が狭いので、掃除する面積が少なくすむ、というのも、ほんとその通りだな、と。

一昔前、私が小学生〜中学生くらいだった1990年代頃、母親が買っていたインテリア系の雑誌を眺めるのが好きだったのですが、あの頃は「限りあるスペースに、どれだけモノを詰め込めるか」を競うような紙面だったような記憶が。
なので、その影響を受けて、ついついモノをため込みがちになってしまうのですが、自分たちが把握・管理できる量のモノ、好きなモノ、必要なモノがあれば、十分なのですよね。

その他、中古物件をリノベーションされて住まわれているご家族の例も出ていて、狭い空間でも、自分たちが便利なように改造できたら、使い勝手がいいだろうな、と、以前から持っていた「中古物件 + リノベーションへの憧れ」が、あらためてくすぐられました。

狭い家で暮らすデメリットは?

今回の本では、皆さん「ポジティブ」に狭い家を選ばれた方ばかりだったので、狭い家のデメリットについてはほとんど言及されていませんでした。

「プライバシー」や「音」?

ですが、少しだけ書かれていた言葉の端々から推測すると、やはり、子どものいるご家庭では、成長にともなう「プライバシー」や「音」の問題が出てくると思われます。

子どもが小さいうちならば、個室の必要性は高くないですが、やはり大きくなってくると、考えどころですよね。異性の「きょうだい」ならば、なおさらに。

本には、一番上のお子さんが高校生というご家族も載っていましたが、同性の兄弟でした。
また、異性の「きょうだい」というご家族も載っていましたが、お子さまの年齢が、大きくてもまだ小学生だったので、もう少しお子さま達が大きくなってきたときに、どういった環境を考えているのかそこをもう少し掘り下げてみて欲しい! というのが、本を読んで唯一物足りないと思ったポイントでした。(住み替えたり、リフォームで対応したりだと思うのですが)

個人的には子どもに広々とした個室は必要ではなく、3畳程度の小さな空間でも良いのかなと思っていますが、なかなかそういう間取りの既存物件はないので、物件を所有するのであれば、中古物件+リノベーションは魅力的な選択肢ですし、挑戦してみたいところです。

そんな訳で、個人的には、このぐらいの家族構成でも、やり方次第、考え方次第で、50〜60m2の空間に十分快適に住まうことができるのだなと感じられた、面白い本でした!

本で紹介されていたご家族のなかには、ブログをされている方がいたり、リノベーションを担当された会社も紹介されていました。ですので、それらを覗いてみると、本を購入する前に書かれている内容が少し体験できるかもしれないです。

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