Disneyのお姫様文化が子ども達に与える影響
面白い記事を見つけました。
記事の見出し、正しく訳せているかちょっと不安ですが、
『研究者いわく、Disneyのお姫様は完璧じゃない ~Disneyのお姫様文化は、女の子のジェンダーステレオタイプを強化している』です。
「brave」は「勇敢な」という意味の方が先に出てきますが、文章などでは「容姿が優れている」といった意味でも使われるようなので、そちらに寄せて訳してみました。
ジェンダーステレオタイプとは、女性は話し好き、男性は冒険好きなど、私たちがどちらか一方の性別に当てはまりやすいと捉えがちな心理的・身体的事柄のことです。
で、記事では、「親はDisneyのコンテンツを安心して子どもに見せているけれど、少し長いスパンで見てみると、特に女の子では、ジェンダーステレオタイプを強化してしまうという影響があるみたいだよ」、という研究結果が紹介されていました。
以下、記事で述べられていた研究の概要の箇条書きです。
- 就学前の男女児童198名を対象に調査
- Disneyのお姫様系コンテンツ(映画やオモチャ)との接触経験や頻度を調査
- 1年後、親や先生へ聞き取り調査を実施
- 結果、Disneyのお姫様系コンテンツに接していた子ほど、男女とも、ジェンダーステレオタイプな発想をしていた
また他にも、Disneyコンテンツとよく接していた子どもには、
- 男子:身体的自己肯定感が高い、他の子をよく助ける
- 女子:身体的自己肯定感が低い、汚れるの嫌、算数や理科への苦手意識がある
などの傾向が見られたそうです。
女の子達の自分の体に対する評価が低くなってしまうのは、きらびやかで容姿端麗なお姫様を「普通」の姿と捉えてしまうからではないか、ともありました。
この研究を実施したCoyne氏にも娘さんがいるそうですが、ディズニーが発しているお姫様像を、「女の子のあるべき姿」として無意識に思い込んでしまわないよう、気を配っているそうです。
たしかに、
女の子は美しいと幸せになれるとか、
歳をとったら若い子には敵わないとか、
そういうメッセージを与えている物語、消費してた覚えがあるな(笑)
でも、最近のディズニーは「アナ雪」や「ズートピア」など(私はまだ観たことないのですが)、ジェンダーやマイノリティーの観点からも考えられた作品が出てきたと言われてますよね。
日本では、アイドルグループに「女の子は頭からっぽで、愛されてればいいの」と歌わせちゃったり、イジリという名の容姿や年齢へのいらぬお世話が、いまだに「笑い」として消費されていたりして…。
凄くざっくりまとめますが、
いろいろ、みんなもっと自由に生きられる世界になったらいいな、と思います。
【参考】 記事の元となった論文
Sarah M. Coyne, Jennifer Ruh Linder, Eric E. Rasmussen, David A. Nelson, Victoria Birkbeck. Pretty as a Princess: Longitudinal Effects of Engagement With Disney Princesses on Gender Stereotypes, Body Esteem, and Prosocial Behavior in Children. Child Development, 2016; DOI: 10.1111/cdev.12569